自治医科大学 分子病態研究部 - 生体分子イメージング手法を組み入れた生活習慣病(肥満・糖尿病・血栓止血領域等)を対象とした基礎研究部門

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スフィンゴシン1−リン酸と神経損傷
脂肪細胞

図6
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スフィンゴシン1-リン酸(S1P)はスフィンゴシン骨格を持つリゾリン脂質です(図6)。古くからその存在は知られていたものの、生理的な役割については長い間不明なままでした。主に細胞内セカンドメッセンジャーとして考えられていましたが、1998年にS1Pが当時EDG (endothelial differentiation gene)-1と呼ばれるオーファンレセプターのリガンドとして機能することが明らかとなり、この分野での研究が大きく進展しています。現在はS1Pの生理機能は、細胞外受容体であるS1P受容体を介していると考えられています。

私達は、整形外科学教室との共同研究で、このS1Pが神経幹細胞の強力な遊走因子として機能することを見出しています。また、中枢神経損傷疾患である脊髄損傷部位や脳梗塞部位で上昇することを上昇し、損傷脊髄での遊走因子として機能していることを明らかにしました(図7)。S1P受容体作動薬であるFTY720を脊髄損傷直後から投与するとマウス脊髄損傷モデルの運動機能が改善しました(図8)。FTY720はジレニアという薬剤名で難治性多発性硬化症の新規治療薬として臨床応用されており、我々の結果からは脊髄損傷への応用も期待されます。

脂肪細胞

図7
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脂肪細胞

図8
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