自治医科大学 分子病態研究部 - 生体分子イメージング手法を組み入れた生活習慣病(肥満・糖尿病・血栓止血領域等)を対象とした基礎研究部門

自治医科大学
分子病態治療研究センター

分子病態研究部

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研究内容

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臨床研究

整形外科、集中治療部、循環器内科、血液科、消化器外科など様々な臨床科との共同研究で臨床研究を行っています。

抗血小板薬・抗凝固薬の作用機序解明

循環器内科、および地域病院の協力の基、抗血小板薬抵抗性の問題について取り組んできました。
最も古くから用いられている抗血小板薬アスピリンは血小板のシクロオキシゲナーゼ(COX1)を不可逆的に抑制することで、抗血小板作用を有します。
アスピリンの効果が減弱するアスピリン抵抗性が話題になる中、通常用いられる低容量アスピリンで全例に薬理学的効果が認められることを報告しました(Ohmori T, et al, J Thromb and Haemost、2006)。
また、冠動脈形成術後の患者を対象に凝固能、および血小板凝集能を測定し、抗血小板薬の作用だけでは、肥満や睡眠時無呼吸症候群などに伴う凝固亢進は抑制されず、より包括的な治療アプローチの重要性を唱えました(Yano Y, et al, Eur Heart J、2008)。

播種性血管内凝固(DIC)の病態解析

感染症に伴うDICは予後が悪い疾患として考えられており、より早期の診断・治療が望まれます。我々は過去のデータベースを用いて、感染症に伴うDICの生命予後に線溶抑制因子であるPAI-1が重要であることを見出しました(Madoiwa S, et al, Int J Hematol, 2006)。さらに、血小板低下、凝固・線溶の分子マーカーを組み合わせることで、より早期にDIC患者を見出すアルゴリズムを提唱しています(Koyama et al, J Crit Care, 2014)。
DIC患者では血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)患者で認められるようなADAMTS13(VWF切断酵素)活性が低下する症例があり、このADAMTS13活性の低下がVWFの超巨大マルチマーの出現を伴い血栓形成を悪化させる可能性があります(Mimuro J, et al, Blood 2006)。今後もDICの予後を改善するための新たな検査・診断手法について模索していきます。

術後出血・血栓性合併症の評価

整形外科学教室との共同研究として、周術期の出血合併症に関連する因子同定のための臨床研究を行っています。
また、術後DVTの発症の危険因子等についても検討し、各種分子マーカーの有用性を提唱しています (Watanabe H. et al, J Arthropathy 2014; Watanabe H, et al, Thromb Res 2011)。
さらに、他院との協力の元、周術期に効率のよい抗凝固療法を行うための、新規経口抗凝固薬(NOAC)のモニタリングシステムを構築しています。

肝臓移植後の凝固・線溶の分子マーカーの有用性

自治医科大学の外科学教室では多くの生体肝移植が行われていますが、肝移植後の凝固・線溶マーカーを詳細に検討し、PAI-1上昇が拒絶と関連することを見出しています(Mimuro J, et al, Periatr Transplant 2010)